ロシアの暗号資産合法化:制裁回避の望みか?

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ロシアの暗号資産合法化:制裁回避の望みか?

暗号資産拒絶から現実的な採用へ

ロシア中央銀行総裁エルヴィラ・ナビウリナはかつて暗号資産を「危険すぎる」と断じていたが、2024年には「年内にも暗号資産決済が始まる」と方針転換。これは哲学的覚醒ではなく、生き残りをかけた選択だ。

制裁による締め付け

伝統的な決済網が凍結される中、ロシアの輸入は前年比14%減少。中国系銀行の支払い遅延やトルコ仲介業者の撤退が相次ぎ、分散型技術に活路を見出した。

新制度の仕組み(理論上)

  • 国家監視下の暗号資産マイニング
  • USDT/USDCを使った国際決済
  • 既存金融法を迂回する実験的枠組み

しかしブロックチェーンの透明性が逆効果となる可能性も。ウクライナのアナリストは「取引が永久に記録されるため、取引相手の特定が容易になる」と指摘。

プーチン戦略の3つの弱点

  1. パートナー問題: 中国は暗号資産禁止、BRICS諸国も消極的
  2. 追跡リスク: ブロックチェーン分析企業が虎視眈々
  3. ステーブルコイン依存: 米国政府が影響力保持

専門家の見解では、これは戦略的妙手というより切羽詰まった対応。ただし金融孤立よりはマシという判断だろう。

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